昨日の「動きもの撮影」の講習会でご質問がありましたが、多くの方に参考になると思いましたので、こちらでお知らせさせて頂きます。
【A】会場が真っ暗に近い
=ストロボの光が無いと、まともに被写体が写らない
=ストロボの瞬間光で、被写体のブレが止まる
=ハイスピードシンクロは使わないで、1/200で撮る
【B】会場が明るいが、照明の状況で顔に影が出てしまうような時にストロボで光を補う場合
=ストロボの光が無くても被写体が写る(顔が影になるだけ)
=ストロボはあくまでも補助光なので、ストロボの光では被写体のブレは止まらない
=ハイスピードシンクロを使い、SSを1/400などに上げる
【ストロボを使う時の注意点】
■会場にストロボを使って良いかは、確認しましょう
■ステージなど、舞台照明が入っている時は、基本的にストロボはNGです
■上記【A】と【B】の環境を見極めるのが難しい場合など、実際に現場にPCを持ちこんで、写真拡大をして確認するのがおすすめ
より細かく説明していきましょう。
マニュアル撮影の講座に参加される方には、「ブレは残像」というお話しをしておりますよね。
上記の【A】・【B】の両方とも、被写体は動いているので、SSが遅いと残像になります。
ただ、【A】の状況は、以下のような感じ。ストロボが無いと、このくらいの暗さの被写体で残像が残ります。
(このお写真は、サイトからお借りしてます。私のではありません)
ストロボを入れると、、、こんな感じ。
(こちらは私の写真。上の写真と同じ会場です)
ストロボを入れると、ここまで一気に明るくなります。
例え、残像が残るとしても、明暗差が大きい場合、暗い画像の残像は、明るさでかき消されてしまいます。
さらに、ここまでストロボを使う・使わない時の明暗差が大きい場合は、ストロボがシャッター幕代わりになります。
そして、ストロボの光は一瞬。クリップオンストロボの場合だと、1/500以上の速度になります(状況によって速度が異なるので、あくまでもザックリの数値です)。
つまり、ストロボを使う・使わない時の明暗差が大きい状況では、カメラのSSを1/200にしても、ストロボの瞬間光の方が速いために、ストロボの力で、SS1/500の効果を得ることが出来ます。
【B】は、例えば体育館の運動会などです
体育館のカーテンを開けて、自然光で会場を明るくするような時ってけっこうありますよね?
でも、そのような場合、写したい子供に対して、光が逆光で入ってくることが多いです。
(その参考写真が無いので、あくまでも口頭だけでスイマセン、、、)
そのような場合は、ストロボは、その影を消す目的に使います。いわゆる、レフ板の役目のような感じ。
そのため、ストロボを使う・使わないの明暗差自体は小さいです。
このような時は、SSが遅いと残像がしっかりと残ってしまうために、SSを上げる必要があります。
ですので、ハイスピードシンクロにして、カメラ自身のSSを1/400以上にしていきます。
この残像とストロボ光で止めることの理解ができるようになると、こんな写真表現なども出来ます。
・残像を残す
・ストロボで止める
この2つの組み合わせです。
実は、このハイスピーシンクロの理解については、ここ数年で変化しています。
それは、カメラの高感度耐性がUPしたことが影響しています。
高感度が使えないカメラの時は、【B】の発想は、ほとんどなかったかもしれません。
なので、今でも【B】のような状況でも、ISOを下げ目にして、ストロボ直射で【A】のやり方を続けている方を、社交ダンスの会場などで多く見かけます。
ストロボのパキっとした光の写真と比較すると、【B】の方法の方がダンサーさんに喜ばれるのですが、、、。
「ふう~、ストロボって複雑やな~、、、」
って思った方、日頃から、ストロボを使って慣れておいた方が良いかな?って、思ったりしましたか??
そうです。少しづつ、理解を深めていけば良いのです。
もし、「ストロボのこと、少し深く知りたいな」と思ったら、おススメの講座があります。
■ストロボの原理に触れてお伝えするので、夜景だけでなく応用範囲が広く使えるようになります。
(※7/23に天候が読めずに中止になった代わりに、7/29に企画しました。23日に申し込まれた方、申し訳ございませんでした)