「暗幕がかかった体育館のからミニバスケットを撮影すると、ノイズが出ているのか、のっぺりとした写真しか撮れずに悩んでいる」。というご質問にお答えしたいと思います。
あくまでも、私ならこう考えるという1つの案ですが、少しくらいは参考になるかと思います。
これから、カメラを買い替える際の参考にもなるかと思いますので、良かったらご一読ください。
【質問内容】
「暗幕がかかった体育館のからミニバスケットを撮影すると、ノイズが出ているのか、のっぺりとした写真しか撮れずに悩んでいる」
◇質問者のカメラ機材など
カメラ:EM-1mark2
レンズ:オリンパスの純正レンズ40-150㎜F2.8
◇買い替え検討
Nikon D7500
レンズ:タムロン70-200㎜F2.8
【記録画質とピクチャースタイルを考える】
■RAWでニュートラルで撮って、とにかく編集する
あなたは、カメラの記録画質やピクチャースタイルなどはどうされていますか??。
のっぺりとした絵になる場合、カメラの中で『ノイズ処理が強くかかっている』ことが考えられます。
それと、非常に多くの人に見受けられることですが、写真撮影時のフォトスタイルが『風景』や『ビビット』などになっていることが多くあります。
ここまで読んでいてすでにお気づきの方も多いかと思いますが、つまり、この手の悩みの元凶は、カメラ任せのJPEG記録にあります。
そもそも、RAWで撮って編集すれば、カメラの色合いなんて、気になりません。色が薄ければ、編集で濃くすれば良いだけの話です。
ですので対策方法としては
■RAWで撮影する
■編集する
さらに裏技があります。
「RAWで撮るなら、どうせ、編集するから、撮影のフォトスタイルは関係ない」
そう思いがちですが、必ず、あなたのカメラで検証しましょう。
私が使っているカメラでは、RAWで1から編集するにしても、撮影時に「ニュートラル」で撮影すると、一番ノイズが出にくいです。
また、「風景」にして撮影すると、たとえRAWで1から別のフォトスタイル(ピクチャースタイル)に変えても、けっこうノイズが出ます。
【センサーサイズ】
■被写界深度というワナ
マイクロフォーサーズやAPS-Cで撮影した写真がノイズがいっぱいになるからと、すぐにフルサイズへの乗り換えを考える人がいますが、それはちょっと待った!
でも、日本経済的には、買い替えた方がお金が回ってくれるので良いので、買える人は買ってください。
そもそも、動きものを撮影する場合、その撮影の成功率を上げるために、SSやF値を少し考える必要があります。
SSは、多くの人が理解してきたところですが、F値については、実際にフルサイズを買わないとなかなか理解できないかと思います。
フルサイズでは、「被写界深度」と呼ばれるピントの合っている奥行きが極端に狭くなります。そのため、動きもの撮影などで、F値を開放にして使うと、すぐにピンボケ写真だらけになります。なので、少し絞る必要があります。
それに対して、APS-Cやミラーレスは、被写界深度が、フルサイズほど狭くはありません。そのため、F値は思い切って開放出来ます。
ですので、例えば、暗幕で光を遮られた体育館でミニバスを撮影するにも、質問者のカメラならマイクロフォーサーズなので、F2.8いっぱいに開放出来て撮れるので、例えば、その状況でISO6400になったとしたら、フルサイズの場合、絞りこむ必要が出てくるので、露出を同じにするために、ISOを12800などにする必要が出てきます。
たとえ、フルサイズであってみお、ISO12800では、ノイズまみれになるはずです。
知っておくと良いかと思う知識ですが
「フルサイズを使っている多くのプロは、確実性を考えて、F2.8は、ほとんど使いません。」
フルサイズは、ほとんどの撮影で、それなりに絞る必要があるので、それを考えると、APS-Cやマイクロフォーサーズで開放で撮れた方が、ISOを大きく上げずに、確実な写真が残しやすいかと思います。
■等倍で写真をみるとフルサイズが圧倒的にキレイというワナ
そもそも、等倍で写真を見る人は、カメラマニアさんたちだけのような気がします。
写真をもらう人は、そんなの気にしてません。
じゃあ、何が気になるかというと、プリントで渡された時の写真です。
ですので、モニターでピクセル等倍で見るよりも大事なことは、プリントして見ることです。
先日開催した講座に参加された社交ダンサーさんがおっしゃってた、「このくらいの大きさの写真が欲しい」というくらいのサイズでキレイであれば良いのです。
私は、初代のCanon EOS 7Dから、EOS 5Dmark3に乗り換えた時に、どっちの印刷がキレイか?を確認しましたが、ほとんど変わりませんでした。
■「じゃあ、なんで、5Dmark3を使っているの?」
それは、
〇「このくらいの大きさの写真が欲しい」という大きさよりも大きい写真が求められるようになった
〇写真を加工する・されることが増え、その時のデータの破状が圧倒的に少ない
〇7Dと比べて、ホワイトバランスや測光が正確
それでも、買った時に思いましたよ。
「あれ?F値、絞らないといけないから、単純に高感度に強いとは言えないじゃん」と。
【私なりの結論と、動きものを撮りたい多くの人に】
■今回の解決方法
まず、私ならば、今回のケースでは、現状のカメラのまま、以下のことをやってみます。
1、RAW記録
2、フォトスタイルを「ニュートラル」
3、撮影後にLightroomで編集する
4、あまりにノイズが出てしまうなら、ノイズ処理のパラメーターもいじる
で、買い替え検討のものにしても、さほど変わらないかと思います。
■動きものを撮りたい人がカメラを選ぶ際のおすすめ
今回のような悩みにならないように、カメラを買うなら何がおススメか?を書いてみます。
1、ミラーレス機で頑張るより、レフ機の方が圧倒的に簡単に動きものに対処できる
ただ、EM-1mark2や、Sonyα9等なら良いかと思いますが、そんなにお金を出さなくてもレフ機の方が安くて動きもの撮影が得意。
2、カメラボディーよりも、レンズが重要。AFの速度の速いもの。F値の小さいもの。可能な限り純正であること。
3、「フルサイズはキレイ」「センサーサイズが大きい方が良い」という言葉は、過信しない。
実際に、動きものや、コロコロ変わる照明で、あなたのカメラが試せます。
(照明対応のレクチャーもあります)
1月6日に、ぜひお越しください!